おそらく、すべてのスバリスト垂涎のモデルである。 |
ブラット とは、1977年10月、北米市場への輸出が開始され、1978年モデルからラインナップに加わった、A34型レオーネ ベース のスポーツピックアップトラック である。 | |
1978 Subaru Brat Sweepstakes TV commercial |
ちなみに、「BRAT」を辞書で引いてみると、「 悪童、悪ガキ 」というような和訳になる。現在なら、ヒップホップ、ラップ、DJ といったようなラインを狙う感じだろうか。なかなかやるな S.O.A といった感じぃ 〜 ? |
なぜアメリカ市場だけ後部荷台に座席を装備したのかというと、故・影山 夙 氏 は、著書、「図説・四輪駆動車―322点の図・写真で綴る4WDの技術と発展史」(山海堂 初版 2000年10月発行 )で、アメリカでは乗用車などの輸入車に対して 4% の関税が掛けられていたが、ピックアップトラック などの 「LDT (Light Duty Truck)」 には、25% という法外な輸入関税が課せらていたため、それを回避するためだった、と述べている。 |
30年も 「納車」 を夢見て、待ち続けてきたクルマである。だから発注する ボディカラー は、もう30年前に決まっていた。そして、それをついに口にできる日が来たのだ。 |
「モノ書き」 とは、書いたものを買ってもらうことで生計を立てている人のことをいう。書いたものを買ってもらうには 「お客様」 の気に入るように書かなければ買ってはもらえないからね(笑)。 |
その 「パラマウントレッド」 が、1978年7月の レオーネ シリーズ のマイナーチェンジで、レオーネ 4ドアセダン4WD でも注文生産色 として設定された。 |
私はもう魂を奪われた。ポルシェ930ターボ も ランボルギーニ カウンタックLP500S ウォルターウルフ も、フェラーリ365BB もお呼びではなかった。 |
端から決まっていたボディカラーに対して、トリムカラーはちょっと迷った。 |
ところで、A型レオーネ ベース ブラット の最終年度である 1981年モデル では、GL / DL とも、A3 / A6型時代には設定がなく、国内向け AB系レオーネ で 4ドアセダン / ハードトップ 1.8 GTS のみに設定されたものと同成形色と思われる ブルートリム となっている。 |
右の画像がその 1981年モデル ブラットGL のシフトレバー と セレクター で、これを見ると、確かに 前部ピボット の セレクターレバー の一番上が FF、中間が 4WD-Hi、一番下が 4WD-Lo となっている。 |
ブラット の 「命」 である、クォーターピラーから後ろのディティール。ここは AMT に心から感謝しなければならない。 |
リヤゲートの 「あおり」 に 「BRAT」 と 「4WHEEL DRIVE」 のオーナメントが再現されていないのは少し寂しい気もするが、それは熱転写プリンターがあれば、デカールで再現するのは現在では簡単なことだ。 |
クォーターピラーカバーは、おそらく ブラック というのが正解だが、ここも ウチの A32 レオーネ に敬意を表して 濃いガンメタリック仕上げとしてみた。 |
それよりなにより嬉しいのが、ボンネットフードを開けると、そこに EA71 が鎮座していることで、タンデムマスターシリンダー、ジャッキとクランク、レギュレーター、バッテリー、ウォッシャータンク、ラジエターなども簡潔にだが見事に再現されている。 |
ここで 「スペアタイヤがないじゃん」 などという野暮な突っ込みは NG だ。 |
これが A3/A6型レオーネ4WD のパワー / ドライブトレインだ。 |
1998年12月発行 レガシィB4 のカタログ掲載の俯瞰図と並べてみる。 |
取って代わったのが V型6気筒エンジンだ。これならエンジン全長が短くてクラッシュストロークが長く取れますから。 |
その パワー / ドライブトレイン を シャシー にドッキングすると、さすがに時代を感じる。 |
おそらく、スバリスト の方なら、ブラット のチャームポイントのひとつである クォーターピラー から テール へ伸びる、ステッカーが今回の作例で貼付していないことを寂しく感じていることだろう。 |
貼付していないのは、当然 「貼れなかったから」 である。 |
残念な結果に終わってしまったが、だからこうした古いキットは、できるだけスペアを確保した上で製作したいと思っている。 |
ブラット について、「この スポーティな4WD ブラット は、早くもピックアップ・シーンの強力な競争相手になっている。約973kgの軽い車体で、1600cc、65hpのアルミ製エンジンと4速トランスミッション、”フレッシュエア”バケットシートを装備している。ブラットがユニークな点はたくさんあるが、そのひとつは、いつもは前輪駆動だが、四輪駆動にもなるということだ。理想的な ブラット の駆動系のセットアップと、カスタム、オフロードオプションで、このクラスに手ごわいライバルが登場した。」とある。 |
|
このキットは、ストック と カスタム に コンバージョン可能であることがひとつの 「売り」 で、上が ストックバージョン、右が カスタムバージョン となっている。 |
パーツ同士の 「合い」 は決して悪くないのだけど、組み上げたパートをドッキングさせようとすると齟齬が出てきてしまうような印象で、また、この時代のフルディティールのキットの宿命として、点接着、線接着が必要な箇所も多く、強度的に不安がある。 |